ご挨拶

三重県中・南部においては、生産年齢人口減少を食い止めるために、若者の地元定着促進が大きな課題となっています。その背景としては、伊勢志摩地域における産業の中心が第一次産業及び第三次産業であり、若者の地元定着に繋がる魅力に乏しいことが挙げられます。
その一方で、三重県では産学官連携のもと、ICT(Information and Communication Technology)やIoT(Internet of Things)を活用した既存産業の活性化(第四次産業革命)に向けた新たな戦略と、航空・宇宙産業を中核とする新産業関連企業の誘致が進められています。また、三重県ではこれらの第四次産業革命の推進と新産業関連企業に県内からの人材供給を目標としており、その実現のためには、県内にある高等教育機関が当該分野の人材を育成することを担うことが必須といえます。このような現状を踏まえて、本校では、人材供給先を第四次産業革命を担う新産業関連企業におき、地域との連携を強め、地域の発展に貢献できる高専を目指しています。

地域に貢献できる人材を育成するためには、柔軟な課題解決力や創造力に繋がる論理的思考力を身につけることが重要であり、本校では入学して直ぐに集中的に教育するカリキュラムを開発し、実行するところです。同時に、社会の変革に柔軟に対応するためにグローバル思考の涵養も同カリキュラムに不可欠な要素となっています。また、工業系学科のみならず、グローバルな人材の育成を目指す商船系学科においても入学後直ちに集中的に論理的思考力を身につける教育を展開します。
そうした中、独立行政法人国立高等専門学校機構において実施されている“KOSEN(高専)4.0”イニシアティブ事業において、本校では論理的思考力を身につけるプログラミング技術やものづくり技術を活用して、農業・水産業・観光業・海運業向けの地域連携のPBL(Project-Based Learning)に取り組んでいます。その取組過程や成果は、本校のHPを通じて逐次情報公開しており、各高専の教育改革の一助となれば幸甚です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥羽商船高等専門学校長     林 祐司

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